社会

「貧乏コンプレックス」経験者が語る克服の方法

  • 貧乏な家庭で、人に知られてしまうのが怖い
  • 周りと比べても欲しいものが買ってもらえず、卑屈な思いをした

貧乏に関する劣等感を持っていて、日々つらい思いを抱きながら生活している人がいます。
一方で、かつて同じようなコンプレックスを持っていたが、それを完全に克服した人も存在します。

今回、クラウドソーシングサービスを活用して劣等感の克服体験談を1000件集めました。そのなかで、貧乏に関する劣等感を克服したという体験談も多くありました。
ここではそれらを紹介していきます。

コンプレックスの原因と克服法概要

まず大前提として、こういったコンプレックスは、特定の物差し(価値観)で他人と比較することで自己肯定感が低下することが原因にあります。

  • 今回の場合、他人と経済的余裕を比べて劣っている。
  • そしてそれは周囲と比べたとき、お金を持っていることこそが幸せだという価値観において劣っている。

ではどのようにしてこういった劣等感・コンプレックスを克服できるでしょうか。

コンプレックスを克服する2つのアプローチ

コンプレックスを克服する一つ目のアプローチは、誰でも思いつくもので、

  • そのコンプレックス自体を努力やお金などの行動で解決するアプローチ

です。
たとえば今回の場合、貧乏という劣等感に対して経済的余裕を持つというアプローチです。もちろん、この方法のゴール地点は「貧乏ではなくなること」です。

そしてもう一つのアプローチが、

  • コンプレックスの元となっているネガティブな物差し(価値観)を、別のポジティブな物差し(価値観)に置き換えるというものです。

今回の場合、あくまで一例ですが以下のような思考プロセスを行なうことになります。

「貧乏という劣等感を持っている」
 ↓
「これは、『お金を持っていることこそが幸せ』という価値観が元になっているからである」
 ↓
「しかし、別の価値観では、むしろこれは長所なのではないだろうか?」
「たとえば、人一倍苦労をしていた自分は、何も苦労しなかった人よりも将来根気強く生きることができるという考え方をすると、むしろこれは他人にはない、自分にとっての強みになるのではないか」

このアプローチのゴール地点は「貧乏な自分を肯定的に受け入れる」ということになります。

このような考え方や世界観の転換は「リフレーミング」と呼ばれ、カウンセリングの場でも活用されています。
そもそもこういった価値観・物差しに明確な正解など存在しないのです。それならば、自分のことを好きになれる価値観を選択・採用したほうが精神的にも良いはずなのです。

次の項目では早速、実際の貧乏コンプレックスの克服体験談を紹介していきますが、やはり克服のアプローチは上で説明したものが多くあります。

体験談においては「行動による克服」は赤色マーカー「価値観などの転換による克服」は青色マーカーを引きました。また、それぞれのテクニック・方法は太字で強調しました。

貧乏コンプレックス克服体験談

Aさん(女性、悩んでいた時期:10代~20代)

かつてどのようなコンプレックスを持っていましたか?
父親が他の人よりも高齢で、仕事がなくかなり貧乏でした。欲しいものを買ってもらえずいつも姉のお下がりを使っていました。
その劣等感によって、実生活でどのような影響が出たか教えてください。
流行について友達と話が合わず、買い食いもできずにみじめな思いをしました。
どのようにして、その劣等感を克服しましたか? 考え方をどう変えたか、どうやって気持ちを整理したかなどを具体的に教えてください。
お金がなければ自分で稼ごうと思いました。自分でも短大では必死に勉強したと思います。とにかく語学力を身につけて実力主義である外資系企業に入り、女性でも高収入を得ようと思いました
今となっては当時の劣等感をどのように考えていますか?
劣等感をバネに頑張れたので良かったと思っています。
当時の自分に言葉をかけられるとしたら、どのような言葉をかけたいですか?
あなたには高い能力があるから大丈夫、男性顔負けに稼げる様になるから一生懸命勉強しなさい。

Bさん(男性、悩んでいた時期:10代前半)

かつてどのようなコンプレックスを持っていましたか?
家が貧乏だったので、人にバレるのが怖かったです。
小学校に入った時、友達がお父さん、お母さんと呼んでいるのに
自分はとうちゃん、かあちゃんと呼んでいたのがとても恥ずかしいことに感じました。
それから両親のことを、ねえとかあのとしか呼べなくなりました。
その劣等感によって、実生活でどのような影響が出たか教えてください。
小学校に入ってから今までの生活が普通の人と違うんだと気づいて、あまり人と関われなくなりました。
全て消極的でした。
どのようにして、その劣等感を克服しましたか? 考え方をどう変えたか、どうやって気持ちを整理したかなどを具体的に教えてください。
今の家内と16歳の時出会い、付き合い始めました。
彼女は工務店の社長令嬢でお金の苦労はしていませんでした。
しかし幼い頃両親が離婚して、父親と血のつながりがありませんでした。
何かの折に彼女が、私は両親揃っていてとてもうらやましいと言ってくれたことがありました。
それまで、ずっと劣等感をもって生きてき人にうらやましいなんて言われたことが無かったのでとても驚きました
それから気持ちも軽くなりお金がないことが恥ずかしいことではないと思えるようになりました。
たぶん17歳くらいのことだったと思います。
今となっては当時の劣等感をどのように考えていますか?
10代という若い時の話ですので、世界が狭かったと思います。
今なら、上には上がいて下には下がいると思えますし
その人の持つ価値観の違いと考えることができます。
当時の自分に言葉をかけられるとしたら、どのような言葉をかけたいですか?
大丈夫。
貧乏は恥ずかしくないよ!
君をからかっているその子にも知られたくない悩みがあるんだよ!
そのうち、お金なんてどうにでもなるよ!
悩みがあるのは君だけじゃない!
自分ではどうすることもできない悩みを抱えている人が沢山いるよ!

Cさん(女性、悩んでいた時期:20代前半)

かつてどのようなコンプレックスを持っていましたか?
実家が経済的に裕福ではなく、両親から「うちは貧乏だ」と言われていたので経済力にコンプレックスを持っていました。
どのようにして、その劣等感を克服しましたか? 考え方をどう変えたか、どうやって気持ちを整理したかなどを具体的に教えてください。
歳を重ねるにつれ様々な出会いがあり、上を見ても下を見てもきりがないと気付きました。また豊かさの指標は人それぞれなんだと考えを変えました
今となっては当時の劣等感をどのように考えていますか?
視野が狭かったと思います。ごく身近なサンプルしか見ずに自分の置かれた状況をあまり理解できていませんでした。
当時の自分に言葉をかけられるとしたら、どのような言葉をかけたいですか?
そのような劣等感を抱くことは時間の無駄だと言いたいです。

Dさん(女性、悩んでいた時期:20代前半)

かつてどのようなコンプレックスを持っていましたか?
貧乏だというコンプレックスを持っていました。お金がとにかくなかったです。
その劣等感によって、実生活でどのような影響が出たか教えてください。
食べるものが粗末なものとか、着る洋服が少ないとか。
どのようにして、その劣等感を克服しましたか? 考え方をどう変えたか、どうやって気持ちを整理したかなどを具体的に教えてください。
とにかく働くしかないと思って、収入のいい仕事を探し、お金をたくさん稼ぐために働きました
今となっては当時の劣等感をどのように考えていますか?
本当に大変なコンプレックスだったと考えています。
当時の自分に言葉をかけられるとしたら、どのような言葉をかけたいですか?
コンプレックスを克服するにはコンプレックスに立ち向かうしかないと言葉をかけてあげたいです。

Eさん(女性、悩んでいた時期:10代~20代)

かつてどのようなコンプレックスを持っていましたか?
母子家庭でお金がなく、友達と比べてどこにも連れて行ってもらった経験や物を買ってもらうことがなかったことにコンプレックスを抱いていました。
その劣等感によって、実生活でどのような影響が出たか教えてください。
いつも他の友達と比べ、嫉んでどんな場面でも反抗的な態度になっていました。
どのようにして、その劣等感を克服しましたか? 考え方をどう変えたか、どうやって気持ちを整理したかなどを具体的に教えてください。
就職してから、自分自身でお金を稼ぐようになり、コツコツ貯金と仕事への目標を持ち、やり続けていく内うちに数年後友達と差がついてきたことで劣等感が克服できました。
劣等感を払拭するのに役立った本(書籍名)や周囲のアドバイス(言われた内容)などがあれば教えてください。
人と比べないで自分の今やるべきことを考えればいいじゃん」という言葉です。
今となっては当時の劣等感をどのように考えていますか?
あの当時はしょうがないことではあったけど、もう少し広い視野で物事を考えていたらまた違う選択もあったと思いました。
当時の自分に言葉をかけられるとしたら、どのような言葉をかけたいですか?
周りを気にせず、今の自分を全力で取り組んでみて。

Fさん(女性、悩んでいた時期:31歳ごろ)

かつてどのようなコンプレックスを持っていましたか?
子供が生まれてから育児に忙しくなり、経済的にも苦しくなったため、独身時代からの未婚の友人たちに対して「お金がない」「生活に追われて余裕がない」というコンプレックスを感じるようになりました。
その劣等感によって、実生活でどのような影響が出たか教えてください。
自分に自信がなくなり、人とあっても目が合わせられなくなりました。
どのようにして、その劣等感を克服しましたか? 考え方をどう変えたか、どうやって気持ちを整理したかなどを具体的に教えてください。
育児の忙しさが落ち着いてきたことと、仕事を再開して経済的な余裕も出てきたことで、また人としっかりと目を合わせて話ができるようになりました。
今となっては当時の劣等感をどのように考えていますか?
その気持ちをバネにして頑張ろうと思えたのでよかったのですが、それまでに感じたことのない負の感情だったので苦しかったです。
当時の自分に言葉をかけられるとしたら、どのような言葉をかけたいですか?
あなたが頑張っていることは十分わかっているから、無理しなくていいんだよ、と言ってあげたいです。

Gさん(男性、悩んでいた時期:20代)

かつてどのようなコンプレックスを持っていましたか?
就職した会社を辞め自営業になったのですが、生活に苦しく、周囲のように自由に遊べなかったり、遊んでもお金が出ていくことが気がかりで楽しめなかったりしていました。
その劣等感によって、実生活でどのような影響が出たか教えてください。
彼女ができても仕事の収入のことなどを言われ、将来に悲観的になっていました。
どのようにして、その劣等感を克服しましたか? 考え方をどう変えたか、どうやって気持ちを整理したかなどを具体的に教えてください。
今できるスキルを少しずつ儲かる業種にずらして新たなことを学び、徐々に収入を増やしていくことに成功しました
今となっては当時の劣等感をどのように考えていますか?
気にしすぎだったと思います。正直、相手が貧乏かどうかで人の見る目はそれほど変わらないと気づきました。そのころの彼女のように将来を考えたら心配するのは当然ですが、その考えがすべてではないのに、当時は視野が狭かったと思います。
当時の自分に言葉をかけられるとしたら、どのような言葉をかけたいですか?
いろんなことに挑戦してみることが大事だよ。

まとめ:貧乏コンプレックスを克服するには

最後に、貧乏コンプレックス克服の体験談を踏まえ、「克服する方法」と「コンプレックスではなくポジティブな強みだと考えられる方法」をまとめます。

貧乏コンプレックスを克服する方法・コツ
  • 将来ためになるスキルを学び、実力をつける
  • 資金力が豊富な業態、かつ年功序列でなくスキルに応じて昇進できる分野の仕事に就職を目指す
劣等感ではなく肯定的に捉える考え方・コツ
  • 誰しもが何らかの劣等感や悩みを持っていることに気付き、自分は「貧乏」がそれであることに気付く
  • 貧乏だから恥ずかしいという感情は数ある価値観のうちの一つであり、世の中には全く別の考えもあることに気付く
  • 心の豊かさの基準は人それぞれで、裕福でも心は孤独な人もいるし、必ずしも貧乏=不幸とも限らないことに気付き、最低限の暮らしのみを追求する

以上が貧乏コンプレックスの体験談と方法論になります。
心の整理には時間がかかるかもしれませんが、少しでもお役に立てればうれしいです。