- 歌うのが苦手で、カラオケに誘われると気分が乗らない
- 音痴を指摘されて以来、歌うのが嫌いになってしまった
- 歌が下手なのでどうしても堂々と歌えない
音痴という劣等感を持っていて、日々つらい思いを抱きながら生活している人がいます。
一方で、かつて同じようなコンプレックスを持っていたが、それを完全に克服した人も存在します。
今回、クラウドソーシングサービスを活用して劣等感の克服体験談を1000件集めました。そのなかで、音痴を克服したという体験談も多くありました。
ここではそれらを紹介していきます。
コンプレックスの原因と克服法概要
まず大前提として、こういったコンプレックスは、特定の物差し(価値観)で他人と比較することで自己肯定感が低下することが原因にあります。
- 今回の場合、他人と歌のうまさを比べて下手である。
- そしてそれは周囲と比べたとき、「歌が下手なのは格好悪い・恥ずかしい」という価値観において劣っている。
ではどのようにしてこういった劣等感・コンプレックスを克服できるでしょうか。
コンプレックスを克服する2つのアプローチ
コンプレックスを克服する一つ目のアプローチは、誰でも思いつくもので、
- そのコンプレックス自体を努力やお金などの行動で解決するアプローチ
です。
たとえば今回の場合、音痴という劣等感に対して音痴を直すというアプローチです。もちろん、この方法のゴール地点は「音痴ではなくなること」です。
本ページの体験談では、実際に音痴を克服した人の具体的な方法も知ることができます。
そしてもう一つのアプローチが、
- コンプレックスの元となっているネガティブな物差し(価値観)を、別のポジティブな物差し(価値観)に置き換えるというものです。
今回の場合、あくまで一例ですが以下のような思考プロセスを行なうことになります。
「音痴という劣等感を持っている」
↓
「これは、という価値観が元になっているからである」
↓
「しかし、別の価値観では、むしろこれは長所なのではないだろうか?」
「たとえば、『カラオケで歌のうまさは重要ではないし周りも求めていない。むしろ堂々と音痴を前面に歌えば、周りの雰囲気も良くなる』という考え方をすると、むしろこれは他人にはない、自分にとっての強みになるのではないか」
このアプローチのゴール地点は「音痴な自分を肯定的に受け入れる」ということになります。
このような考え方や世界観の転換は「リフレーミング」と呼ばれ、カウンセリングの場でも活用されています。
そもそもこういった価値観・物差しに明確な正解など存在しないのです。それならば、自分のことを好きになれる価値観を選択・採用したほうが精神的にも良いはずなのです。
次の項目では早速、実際の音痴のコンプレックス克服体験談を紹介していきますが、やはり克服のアプローチは上で説明したものが多くあります。
体験談においては「行動による克服」は赤色マーカー、「価値観などの転換による克服」は青色マーカーを引きました。また、それぞれのテクニック・方法は太字で強調しました。
音痴・歌が下手というコンプレックス克服体験談
Aさん(男性、悩んでいた時期:20代)
- かつてどのようなコンプレックスを持っていましたか?
- 歌が極端に下手なので、とにかく人前で歌うのが嫌でした。
- その劣等感によって、実生活でどのような影響が出たか教えてください。
- カラオケに誘われても、何かと理由をつけて断ったり、仕方なく行った場合は自分にリモコンが回ってこない様に遠ざけてました。
- どのようにして、その劣等感を克服しましたか? 考え方をどう変えたか、どうやって気持ちを整理したかなどを具体的に教えてください。
- ひたすら1人カラオケで練習しました。時代がお1人様を歓迎する時代なので、1人でカラオケに行っても気にされないのが好都合です。
加えて歌う時は必ず誰かと一緒に歌うようにしました。それにより音程が外れていてもバレません。また、誰かの曲に入り込むことで、自分だけが歌ってないという印象を避けるようにしました。この方法なら下手な印象を持たれることはそうありません。
- 今となっては当時の劣等感をどのように考えていますか?
- 気にしすぎな気がします。歌が下手でも他人は対して気にしていません。とにかく楽しそうにしていれば印象も悪くならないと思います。
- 当時の自分に言葉をかけられるとしたら、どのような言葉をかけたいですか?
- 1人カラオケでじっくり練習してください。
Bさん(男性、悩んでいた時期:10代後半)
- かつてどのようなコンプレックスを持っていましたか?
- とても音痴で安定やリズムをとることが全くできなかった。
- どのようにして、その劣等感を克服しましたか? 考え方をどう変えたか、どうやって気持ちを整理したかなどを具体的に教えてください。
- 恥ずかしがらずに思いっきり誇張するぐらいモノマネして歌いました。
- 今となっては当時の劣等感をどのように考えていますか?
- 試行錯誤したことで現在は音痴ではなくなりました。おそらく自分は音痴だと思い込んで自信が持てなかったのだと思います。
- 当時の自分に言葉をかけられるとしたら、どのような言葉をかけたいですか?
- 気にせず楽しく歌うよう心がけて欲しいと伝えたいです。
Cさん(女性、悩んでいた時期:10代後半)
- かつてどのようなコンプレックスを持っていましたか?
- 私は歌がヘタだというコンプレックスを持っていて、友達とカラオケにいくのが嫌でした。
- その劣等感によって、実生活でどのような影響が出たか教えてください。
- 友達とカラオケに行くのが嫌でした。普通に遊んでいても、話の流れでカラオケに行くことになることもあったので、普段の友達との付き合いが嫌になり、憂鬱な気分になっていました。音程の取り方などをアドバイスされましたが、そのアドバイスが逆に嫌でした。
- どのようにして、その劣等感を克服しましたか? 考え方をどう変えたか、どうやって気持ちを整理したかなどを具体的に教えてください。
- 一人カラオケでとにかく歌を歌いまくって練習しました。そうすると段々歌がうまくなってきました。今ではうまく歌える持ち歌も何曲かできたので、カラオケに行くのに困らなくなりました。
- 今となっては当時の劣等感をどのように考えていますか?
- 10代後半のセンシティブな時期ということもあり、当時はかなり深刻に考えていました。しかし今ではたかが音痴という感じで割り切って生活することも大切だったと思います。
- 当時の自分に言葉をかけられるとしたら、どのような言葉をかけたいですか?
- 良くがんばって克服したと言ってあげたいです。
Dさん(女性、悩んでいた時期:10代後半)
- かつてどのようなコンプレックスを持っていましたか?
- 人前で歌がうまく歌えず、どうしても歌わなければならない時はごく小さな声で歌っていました。
- その劣等感によって、実生活でどのような影響が出たか教えてください。
- 友達付き合いでカラオケに行っても数時間あるのに全く歌わず気を遣わせてしまったり、学校の行事で合唱などの時に声の小ささを咎められたりしました。
- どのようにして、その劣等感を克服しましたか? 考え方をどう変えたか、どうやって気持ちを整理したかなどを具体的に教えてください。
- ある時カラオケに誘われ、友達の友達という感じで初対面の子も参加していたのですが、その子がカラオケ施設中に響き渡るような大声で歌っている姿を見た時です。音程もなにも気にせず、なんならシャウトまでして全力で歌い切る姿に、目から鱗が落ちたというか、歌うって何も恥ずかしいことがないんだと腑に落ちた感じです。
- 今となっては当時の劣等感をどのように考えていますか?
- 若かったなあ、と思います。ある意味自意識過剰だったのかも。
- 当時の自分に言葉をかけられるとしたら、どのような言葉をかけたいですか?
- プロでもないしただの自己満足なのに、何が恥ずかしいの? ストレス解消に腹から声出せ!
Eさん(男性、悩んでいた時期:20歳前後)
- かつてどのようなコンプレックスを持っていましたか?
- 歌を歌うのがうまくなく、高い声などがあまり出せないのでカラオケにみんなで行くのがいやでコンプレックスでした。
- その劣等感によって、実生活でどのような影響が出たか教えてください。
- 飲み会のあとなどにカラオケに行くことが多いのですが、下手なので憂鬱でした。
- どのようにして、その劣等感を克服しましたか? 考え方をどう変えたか、どうやって気持ちを整理したかなどを具体的に教えてください。
- 昔はキーをさげたらだめという思い込みがあったのですが、自分が楽に歌えればいいと思い、キーを自分にあわせることにしました。それでブーイングする人もいますが、笑ってごまかすようにしました。これにより楽に楽しく歌えるようになり劣等感を克服できました。
- 今となっては当時の劣等感をどのように考えていますか?
- なぜかキーは原曲と同じにしないといけないという思い込みというか、周りからのプレッシャーを勝手に感じて無理をしていただけでした。
- 当時の自分に言葉をかけられるとしたら、どのような言葉をかけたいですか?
- カラオケなんてみんなで盛り上がればいいんだから、自分の歌いやすいキーで歌えばいいんだよ、文句をいわれても笑ってごまかせばいいよといってあげたいです。
Fさん(男性、悩んでいた時期:中高生時代)
- かつてどのようなコンプレックスを持っていましたか?
- 友人とカラオケに行ったとき、音痴ではないのですが音域が狭く、うまく歌えず、また友人たちがとても上手かったため劣等感を持っていました。
- その劣等感によって、実生活でどのような影響が出たか教えてください。
- あまり歌わないので若干のりが悪いと思われてたかも知れません。
- どのようにして、その劣等感を克服しましたか? 考え方をどう変えたか、どうやって気持ちを整理したかなどを具体的に教えてください。
- 音楽は好きだったので音楽理論を勉強し、1人カラオケでキーを自分に合ったものに調節する感覚を身につけ、ひたすら練習した結果、いろいろな歌が歌えるようになりました。
- 今となっては当時の劣等感をどのように考えていますか?
- あの劣等感があったからこそ今音楽をとても楽しめていると思います。
- 当時の自分に言葉をかけられるとしたら、どのような言葉をかけたいですか?
- お前は下手じゃない。
Gさん(男性、悩んでいた時期:10代後半)
- かつてどのようなコンプレックスを持っていましたか?
- 歌を歌うことが下手で、周囲の人から音痴だと言われていました。
- その劣等感によって、実生活でどのような影響が出たか教えてください。
- 友人と遊びに行く際に、カラオケに行くことを断ざるを得ませんでした。
- どのようにして、その劣等感を克服しましたか? 考え方をどう変えたか、どうやって気持ちを整理したかなどを具体的に教えてください。
- 友人に、「恥ずかしがって歌うから、下手に聞こえるんだよ。堂々として歌っていれば、皆気にしないよ」と言われたことがきっかけで、とにかく楽しんで歌えば良いと考えが変わりました。カラオケを楽しむようになり場数を踏むことで、歌の下手さが気にならなくなりました。
- 今となっては当時の劣等感をどのように考えていますか?
- なぜこんなことに悩んでいたのだろうと、今となっては不思議に思います。
- 当時の自分に言葉をかけられるとしたら、どのような言葉をかけたいですか?
- 意外とみんなは、気にしていないよ。堂々としていれば、大丈夫。
Hさん(男性、悩んでいた時期:20代後半)
- かつてどのようなコンプレックスを持っていましたか?
- バンドでボーカルをやっていたが、音痴でとても下手でした。
- その劣等感によって、実生活でどのような影響が出たか教えてください。
- 音楽の歌のテストで先生と1対1の場面で歌ったたが、出だしからいきなり音程をハズして混乱してもっと酷い音程で最後まで歌いました。
- どのようにして、その劣等感を克服しましたか? 考え方をどう変えたか、どうやって気持ちを整理したかなどを具体的に教えてください。
- 歌うときの呼吸の仕方の本や動画を見て練習しました。また、ドレミファソラシドの音階をちゃんと出だしから出せるように発声練習もして、少しは自分で出してる音をコントロールできるようになりました。
- 今となっては当時の劣等感をどのように考えていますか?
- 歌うということを自然にうまくできる人もいればできない人もいる。なので上達したければ、なぜできないのかを知ることは大事だと思います。
- 当時の自分に言葉をかけられるとしたら、どのような言葉をかけたいですか?
- 頑張ってください。
まとめ:音痴のコンプレックスを克服するには
最後に、音痴のコンプレックス克服の体験談を踏まえ、「音痴を克服する方法」と「音痴をコンプレックスではなくポジティブな強みだと考えられる方法」をまとめます。
[box01 title=”音痴を克服する方法・コツ”]- 一人カラオケで練習する
- 自分に合ったキーに調整する感覚を身に付ける
- 歌うときの呼吸の仕方の本や動画を見て勉強する
- 誰も歌のうまい下手は気にしていないことに気付き、堂々と歌うだけで周囲の雰囲気も盛り上がることを知る
- 自分の歌いやすいようキー調整を行なう
以上が音痴の劣等感克服の体験談と方法論になります。
心の整理には時間がかかるかもしれませんが、少しでもお役に立てればうれしいです。